2022.10.06
それでも、事故がおきる可能性はゼロではありません。
そして、社員・家族・お客様を守るためには、知識を学び正しい方法での【救命】方法を知る必要があります。
そこで今回は、岐阜市消防本部 岐阜北消防署三輪分署の救急係さまにお願いしまして、「心肺蘇生法(胸骨圧迫と人工呼吸)」及び「AEDの使用方法」の救命講習を開催して頂きました。
いわゆる、心臓マッサージ(胸骨圧迫)と、AEDの使い方を学ぶ講習です。
なぜ、心臓マッサージを実施をする必要があるのか?
事故が原因で、社員が突然死する可能性があるのが“急性心筋梗塞”や“脳卒中”が考えられます。
心筋梗塞も脳卒中も命に関わります。
また早く治療するほど、助かる可能性は高くなります。
その際に、一番大事な“脳”に、“酸素”を送り続けることが一番重要な事なのです。
血中に残っている酸素を脳に送るために、心臓マッサージで血液を送るポンプの役目をするのです。
そして、救急車が到着し救急搬送されて病院にたどり着いた時に、少しでも命をつなぐ可能性のために心臓マッサージを続けるのです。
心肺蘇生とは、胸を強く圧迫する「胸骨圧迫」と、口から肺に息を吹き込む「人工呼吸」によって、止まってしまった心臓と呼吸の動きを助ける方法です。
脳は、心臓が止まると10秒あまりで意識がなくなり、3~4分以上そのままの状態が続くと回復することが困難となります。
心臓が止まっている間、心肺蘇生によって脳や心臓へ血液を送り続けることがAEDの効果を高めるとともに、心臓の動きが戻った後に後遺症を残さないためにも重要となります。
AED(=自動体外式除細動器)とは心臓が突然止まるのは、心臓がブルブルと細かくふるえる「心室細動」によって生じることが少なくありません。
この場合には、できるだけ早く心臓に電気ショックを与え、心臓のふるえを取り除くこと(これを「除細動」という)がとても重要となります。電極パッドを貼ると、心電図を自動的に解析して、電気ショックが必要かどうか決定し、音声メッセージで電気ショックを指示してくれるため、一般市民でも簡単で確実に操作することができます。
心停止になってから電気ショックを行うまでの時間が遅れるごとに、救命の可能性が低下します。
岐阜市の応急手当テキスト(ガイドライン2020対応) より抜粋
具体的な救命方法の手順として学んだのは、下記の手順です。
手順1:周囲への告知
倒れた人(要救護者)を発見したことを、大きな声で周囲に知らせる
手順2:安全確認
機械動作や、車や重機の往来がないか?
火事や発火、感電の可能性が無いか?
周囲を見渡し、安全であることを確認し、自分の安全を確保して要救護者に近づく
手順3:意識反応の確認
要救護者の耳元で「大丈夫ですか?」などと大きな声で呼びかける。
呼びかけと同時に、要救護者の額を軽く押さえながら、右肩と左肩を交互に軽くたたき反応を確認する。
額を押さえるのは、要救護者が突然起き上がった場合に、介護者との衝突をさけるため。
右左肩を交互にたたくのは、要救護者がケガや麻痺でたたかれていることがわからない可能性があるため。
手順4:助けを呼ぶ「119番通報」「AED手配」
周囲に助けを求めます。
「○○さんは、119番通報してください」
「△△さんは、AEDを持ってきてください。AEDが無くても戻ってきてください」
可能か限り、具体的な人物指定で助けを依頼します。
「誰か119通報して」では、誰も動かない可能性があります。
また協力者に戻ってきてもらうことで、心臓マッサージを交代してもらうことなどが出来ます。
手順5:呼吸の確認
心臓が止まっていると、普段の呼吸ではなくあえぐような呼吸です。
要救護者の上半身を10秒間観察して、胸や腹の上がり下がりを確認し、動きが無い場合や分からない場合には“呼吸無し”と判断します。
手順6:胸骨圧迫(心臓マッサージ)
呼吸がないと判断したら、要救護者の胸の真ん中を重ねた両手で圧迫します。
自身の脈拍を思い出し、100回/分程度のテンポで絶え間なく強く圧迫します。
圧迫は、大変な作業なので複数人で交代しながら行えると良い。
手順7:AEDの使用
AEDに記載の手順で、電気ショックを行う。
AEDをセットしている最中も、心臓マッサージを続ける。
電気ショックを行う際には、一旦心臓マッサージをとめて離れる。
電気ショックをしたあとは、心臓マッサージを再開して続ける。
必要に応じて、心肺蘇生とAEDを繰り返して行う。
この手順1から手順7を、救急車が到着し救急隊と交代するまで行います。
知らなければ「イザ」という場面で、オロオロするだけです。
しかし知っていれば、この一次救命処置を行うことで、要救護者の社会復帰の可能性は“2倍”に増えます。
毎日、安全作業を心がけており、労災事故なども起こしていません。
しかし、、、、
いつ事故が起きるか?
誰かが、急に倒れるか?
起こらないと想定しているよりも、もしかして起こるかもしれないと仮定していないと・・
「イザ」という時に対応出来ないですからね。
以上