2022.04.09
自動車の免許を取得したのは、何年前ですか?
筆者は、AT限定免許(オートマ限定免許)が出来る少し前の時代に取得しました。
教習所や自動車学校では、数時間のAT車講習が義務付けられていた、あの頃です。
そんな世代の方たちだと、中型免許とか準中型免許って言われても、、、
はて? と、なる方も多いのではないでしょうか?
ちなみに、AT限定免許が取得可能になったのは平成3年(1991年)11月からです。
今では、男子も女子もAT限定免許を取得する人がほとんどだそうです。
私の息子は、MT免許(マニュアル免許)を取りました。
その理由は、免許取りたての18歳でも準中型免許を必要としたからです。
就職先の企業さんの、メンテナンスツールを積み込んだ車両が準中型だったからです。
そのサイズになると、AT車よりマニュアル車が多いので、準中型免許をMT車で取得しました。
AT免許から中型免許、準中型免許が出てきた時系列に見ますと、
1991年11月 平成3年 AT限定免許
2007年6月 平成19年 中型免許
2017年3月 平成29年 準中型免許
が、創設されました。
その準中型免許が創設された時に、現れたのが準中型5トン限定免許です。
現在の自動車免許証カテゴリーは、以下の通りになっています。
大型免許 |
大型自動車 |
車両総重量 | 11,000kg(11トン)以上 |
最大積載量 | 6,500kg(6.5トン)以上 |
乗車定員 | 30人以上 |
免許受験資格 |
普通免許以上を取得後3年以上、21歳以上 もしくは、普通免許以上を取得後1年以上の19歳以上で、受験資格特例教習を修了した者 |
中型免許 |
中型自動車 |
車両総重量 | 11,000kg(11トン)未満 |
最大積載量 | 6,500kg(6.5トン)未満 |
乗車定員 | 29人以上 |
免許受験資格 |
普通免許以上を取得後2年以上、20歳以上 もしくは、普通免許以上を取得後1年以上の19歳以上で、受験資格特例教習を修了した者 |
中型免許8トン限定 |
一部の中型自動車 |
車両総重量 | 8,000kg(8トン)未満 |
最大積載量 | 5,000kg(5トン)未満 |
乗車定員 | 10人以下 |
免許受験資格 | 現在、新たに取得することは出来ません |
準中型免許 |
準中型自動車 |
車両総重量 | 7,500kg(7.5トン)未満 |
最大積載量 | 4,500kg(4.5トン)未満 |
乗車定員 | 10人以下 |
免許受験資格 | 18歳以上 |
準中型免許5トン限定 |
一部の準中型自動車 |
車両総重量 | 5,000kg(5トン)未満 |
最大積載量 | 3,000kg(3トン)未満 |
乗車定員 | 10人以下 |
免許受験資格 | 現在、新たに取得することは出来ません |
普通免許 |
普通自動車 |
車両総重量 | 3,500kg(3.5トン)未満 |
最大積載量 | 2,000kg(2トン)未満 |
乗車定員 | 10人以下 |
免許受験資格 | 18歳以上 |
つまり、準中型5トン限定免許とは2017年(平成29年)3月12日に創設された、準中型免許のために作られたカテゴリーとなります。
中型免許が創設された2007年6月2日から、2017年3月11日までに普通免許を取得していた人に記載される、限定カテゴリーとなります。
なぜらな、2007年の段階で普通免許を取得していた人には、中型免許8トン限定免許があるからです。
※注
2022年5月23日施行の道路交通法の改正に伴い、大型免許、中型免許、二種免許の受験資格が緩和されました。
36時間以上の受験資格特例教習を修了させれば、普通免許等取得後1年以上の19歳以上であれば受験することができます。
(令和4年5月23日追記)
車両総重量と、最大積載量と、乗車定員で免許証のカテゴリーが区分されているのに、貨物トラックの大きさは免許証カテゴリーと一致しません。
道路を走る事が出来る車両にはナンバープレートが装着されています。
その分類は、以下の通りです。
0ナンバー | 大型特殊自動車における建機 |
1ナンバー | 普通貨物車 |
2ナンバー | 普通乗用車 (定員11人以上) |
3ナンバー | 普通乗用車 (定員10人以下) |
4ナンバー | 小型貨物車・軽貨物車 |
5ナンバー | 小型乗用車・軽乗用車 |
6ナンバー | 4ナンバーの予備番号 |
7ナンバー | 5ナンバーの予備番号 |
8ナンバー | 特殊用途自動車 |
9ナンバー | 大型特殊自動車 |
乗車定員の関係する、バス等のナンバーは、2ナンバーです。
この場合、普通免許証での乗車定員は運転手を含めて10名です。
11名以上30名未満の乗車定員を乗せることが出来る免許証区分は中型免許です。
31名以上の乗車定員の場合は、大型免許が必要となります。
貨物トラックのナンバーは、1ナンバーと4ナンバーの2つしかありません。
1ナンバーは、全長:12.0m以下、全幅:2.5m以下、全高:3.8m以下
4ナンバーは、全長:4.7m以下、全幅:1.7m以下、全高:2.0m以下
となっていますが、免許証区分の重さに関する部分では、車両総重量8,000kg以上、最大積載量5,000kg以上になるとナンバープレートのサイズは大きくなり、免許証区分では大型免許が必要になります。
このナンバーと乗車定員が、準中型免許で乗車可能なトラックの範囲を分かりづらくしている要因でもあります。
ナンバープレートの分類は2種類、大きさは2サイズです。
1ナンバートラックの種別は、以下の3種類あります。
[小型トラック](通称:2トン車、3トン車)
全長 | 4.7m以内 |
全幅 | 1.7m以内 |
全高 | 2m以内 |
最大積載量 | 3,000Kg(3トン)以下 |
車両総重量 | 5,000Kg以下 |
小型トラックのナンバープレートは、中板です。
積載量が2,000Kg(2トン)から3,000Kg(3トン)であることから、2トン車、3トン車などと呼ばれることがあります。
代表車種ですと、日野:デュトロ、トヨタ:ダイナ/トヨエース、イスズ:エルフ、三菱:キャンター、日産:アトラス、ダイハツ:デルタなどです。
[中型トラック](通称:4トン車)
全長 | 12m以内 |
全幅 | 2.5m以内 |
全高 | 3.8m以内 |
最大積載量 | 6,500Kg(6.5トン)以下 |
車両総重量 | 11,000Kg以下 |
中型トラックのナンバープレートは、中板です。
積載量が4,000Kg(4トン)程度であることが多いことから、4トン車などと呼ばれていました。
実際の中型車の積載量が、4トンであることは少ないようです。
代表車種ですと、日野:レンジャー、イスズ:フォワード、三菱:ファイター、日産UD:コンドルなどです。
この車種でも積載量を8,000kg(8トン)程度であるのは、増トン車と呼ばれ大型車になります。
大型トラックのナンバープレートは中型トラックに比べて、サイズが大きくなります。
[大型トラック](通称:10トン車)
全長 | 12m以内 |
全幅 | 2.5m以内 |
全高 | 3.8m以内 |
最大積載量 | 6,500Kg(6.5トン)以上 |
車両総重量 | 11,000Kg以上 |
大型トラックの運転には、大型免許証が必要です。
大型トラックのナンバープレートは、大板です。
大板のナンバープレートは、ボルトが四か所で固定されています。
積載量が10,000Kg(10トン)程度であったことから、10トン車などと呼ばれていました。
実際の大型車の積載量が、10トンであることは少なく、最近の大型ウイング車の主流は12トン積みであることが多いです。
代表車種ですと、日野:プロフィア、イスズ:ギガ、三菱:スーパーグレート、日産UD:クオンなどです。
通称で言われる、2トン車、3トン車、4トン車、10トン車は、最大積載量を表しています。
しかし、運転可能な免許の範囲と、トラックの大きさは一致していないので、通称2トン車でも準中型免許が必要な車両もあります。
じゃ、これから乗るトラック、運転に必要な免許はどうなるのでしょうか?
また、トラックにはアルミバンボディ車や、ダンプ、クレーンなどの、架装と呼ばれる装備があります。
同じ様な大きさの貨物トラックでも、クレーンが装着されていたりすると、車両総重量が7,500Kgを越えていて中型免許が必要な車があります。
従って、必ず車検証で「車両総重量」「最大積載量」「乗車定員」を確認する必要があります。
車両総重量などを知りたい時には、車検証で確認出来ます。
乗車定員 |
乗れる人数。1人55kg換算 |
最大積載量 |
積込が可能な重量 |
車両重量 |
積載無しの車両単体の重量 |
車両総重量 |
乗車定員+最大積載量+車両重量の合算 |
分かりにくい免許証区分でありますが、ざっくりと乗れることが出来る車を区分します。
あくまで区分例なので、乗れる範囲は車検証で確認する必要があります。
普通免許証で運転可能な車種例
乗用車全般、軽自動車、クラウン、カローラ、ヴォクシー、ハイエース(3列シートタイプまで)、タウンエーストラック積載量750Kg、NV200バネット積載量750Kg、バネットトラック積載量750Kg、ボンゴトラック積載量750Kg、デリカトラック積載量750Kg等々
準中型免許証5トン限定で運転可能な車種例
ハイエーストラック積載量1,000Kg~1500Kg、ボンゴブロニィートラック積載量1,000Kg~1500Kg等々の1トン車
車検証で車両総重量が5,000Kg(5トン)以下である事を確認すること
準中型免許証で運転可能な車種例
デュトロ、ダイナ、トヨエース、デルタ、エルフ、キャンター、アトラス等々
ただし、ダンプやクレーン等の架装がある場合は、車検証で車両総重量と最大積載量を確認すること
中型免許証8トン限定免許で運転可能な車種例
デュトロ、ダイナ、トヨエース、デルタ、エルフ、キャンター、アトラス等々
車検証で車両総重量が8,000Kg(8トン)以下である事を確認すること
中型免許証で運転可能な車種例
レンジャー、フォワード、ファイター、コンドル等々の貨物車
ハイエースコミューター(12人乗り)、コースター、リエッセ、ローザ、シビリアン等々のバス
ナンバープレートが、中板(ボルト2本止めタイプ)であること
大型免許証で運転可能な車種例
プロフィア、ギガ、スーパーグレート、クオン等々の貨物車
セレガ、メルファ、ガーラ、エルガミオ、エアロクィーン、エアロエース、エアロスター等々のバス
ナンバープレートが、大板(ボルト4本止めタイプ)であること
では、どうして免許証が細かく区分されてしまったのでしょうか?
2003年(平成15年)9月より、大型トラックには速度制限装置の取付が義務化されました。
新車はもちろん、それまで使用していた大型トラックにも取付が必要とされて、速度制限装置が装着されてないと車検が通らなくなりました。
その速度制限装置をつけると、時速90Km/hまでしか出せなくなります。
それ以上スピードを出そうと、アクセルを踏み込んでも燃料が制御されて速度が出ない仕組みです。
この速度制限装置の義務化により、主に高速道路での事故件数が減りました。
2000年(平成12年)の、自家用及び業務用の大型貨物の事故件数は14,322件でした。
2003年9月の大型車スピードリミッター規制導入年では、13,572件になり、導入車が大半になってきた2006年には11,915件に減少しました。
もちろん速度制限装置の効果と、トラックの性能進化のおかげでしょう。
しかし、その時代の普通免許を取得していれば、現在の中型免許でしか乗れないサイズの貨物車も乗れました。
車両の大きさと免許区分とは別のものなので、普通免許で乗る事ができる大型貨物並みの超々ロング車と呼ばれる全長12mサイズも販売されました。
全長12mは、大型車と同じサイズです。
そこまでの全長ではなくとも、乗用車より明らかに大きな貨物トラックを走らせるの事故件数はおおいままでした。
そこで、大型車速度規制では減少しなかった範囲をカバーする中型免許が2007年6月(平成19年)に新設されました。
その結果、2005年には自家用及び業務用の貨物車合計の事故件数102,897件だったのが、中型免許新設の2007年には86,627件、2010年には69,783件まで減少しました。
ところが中型免許は、運転免許証を取得後2年以上(20歳以上)でないと取得できません。
物流業界の人出不足を考えると、高校卒業する18歳でも乗れるサイズ区分が望まれました。
普通免許で乗れる小型貨物の事故を減らし、普通免許より免許取得時の技能実習が多くなる“準中型免許”が2017年3月(平成29年)に準中型免許が新設されたのです。
その結果、2016年には自家用及び業務用の貨物車合計の事故件数46,797件だったのが、準中型免許新設の2017年には44,506件、2019年には36,579件まで減少しました。
※貨物車の事故件数及び表グラフは、交通事故総合分析センター統計の、当事者別交通事故件数(第1当事者)より、事業用と自家用貨物車の事故件数を合算した
車両の性能が向上したとは言え、総重量が大きい=重たいトラックになればなるほど、ブレーキの制動距離は長くなります。
そのため、普通自動車と同じような感覚では運転できません。
また、車両のサイズが大きくなれば、死角も増えるので運転技術が必要となります。
それらを考えると、技術に見合った免許区分が必要になりますよね。
自動車教習所等で準中型免許を取得する際には、その重さや大きさを体感するカリキュラムが組まれています。
準中型5トン限定免許とは、2007年6月2日から2017年3月11日までに普通免許を取得していた人のみが持つことのできる限定カテゴリーです。
中型8トン限定免許とは、2007年6月1日までに普通免許を取得していた人のみが持つことのできる限定カテゴリーです。
中型免許や、準中型免許が出来た背景は、運転に必要な技能を取得し交通事故件数を減らすために、免許区分を細分化しました。
運転技術の向上があれば、技術開発によって車両性能やタイヤ性能を向上と相重なり、交通事故件数が減らせます。
では私たち、ドライバーが出来る向上は・・・ 交通安全マナー向上です!
どうか未来のためにも、向上心のあるドライバーでありたいですね。
以上
私たちは、不要なお車を買取りしています
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